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斎藤雅広
・・・ 彼がピアノのスーパースターとしてなぜ未だに国際的に認識されていないのか、私にはわからない。フィルクスニーの微妙さ、ポリーニの柔軟な正確さ、リヒテルのエレガンスがひとつになったような演奏だ。
・・・ (ヒューウェル・タークイ)


1958年12月30日 東京生まれ。

4歳からピアノを始め、田村宏、園田高弘、クラウス・シルデ、リューバ・エンチェバ、エウゲニ・マリーニン、レギナ・スメンジャンカに師事。
6歳のときにはNHK“ピアノのおけいこ”に出演、学生音楽コンクール小学校の部に入賞、その後東京芸術大学音楽学部附属高等学校・東京芸術大学音楽学部を経て、1983年、同大学院修了。
巨匠ハリーナ・チェルニー・ステファンスカに才能を認められ、その招きでポーランド・クラコフに留学。内弟子として研鑚を積むかたわら、国立クラコフ音楽院教授のユーレク・ルコヴィッツ、エリザベータ・ステファンスカに師事した。
その間18歳のとき、第46回日本音楽コンクール第1位、1980年度安宅賞、1985年度霧島国際音楽賞受賞。

1978年NHKホールに於ける“若い芽のコンサート”でデビュー、内田光子にも絶賛された。以後「芸大のホロヴィッツ」と称されて一躍注目を集め、「誰より以上というのではない絶対的なうまさ(音楽の友)」と評される等、強靭な技巧と男性的魅力に富む演奏で、ショパン協会や各新聞社主催の全国各地でのリサイタルや主要国際音楽祭・芸術祭に招かれて好評を博している。1990年にはヤナーチェク弦楽四重奏団とともに大阪いずみホールのオープニングを飾った。
N響をはじめ東響、新日フィル、東フィル、関西フィル、新星日響、大阪センチュリー、神奈川フィル、名古屋フィル等、国内主要オーケストラの他に、NHKの委嘱で1981年にはソウルで韓国国立放送管弦楽団と共演、また伝統のクルト・レーデル指揮のミュンヘン・プロアルテ室内管弦楽団やアレクサンダー・アルブレヒト指揮のワイマール州立歌劇場管弦楽団のソリストも務め、海外に於いても「作曲者の心と曲の核心をとらえる表現力(1985)」「心技バランスの取れた良く熟成された芸術家(1987)」等の高い評価を得た。また、1995年にはウクライナ共和国の第5回国際音楽祭に招かれた。

NHKでは「名曲アルバム」(グリーグの協奏曲・幻想即興曲・スプリングソナタ)「日本の抒情歌1997」「午後のリサイタル」「フレッシュコンサート」「FMリサイタル」「FMクラシックコンサート」「ベスト・オブ・クラシック」「クラシックサロン」「第35回青少年音楽祭」「ピアノとともに」「サタデーHOTリクエスト」「夕方5時、千客万来」「夢コンサート」「津放送局開局記念番組」「ニューイヤー・オペラコンサート」「こども夢質問箱」「きよしとこの夜」「親と子のテレビスクール」に出演のほか、「私の音楽ファイル」の構成作家を担当。FM東京「ザ・コンサート」、FM福岡「ピアノのある部屋」、TV埼玉「ときめきの午後」、TBSラジオ「ゆうゆうワイド」等、数多くの放送に出演。また1997年にはNHK教育TVで「ふえはうたう」の後番組「トゥトゥアンサンブル」のメインキャラクターとして1年間レギュラーを持ち、好評につき1998年もひき続き新シリーズにてレギュラーを担当、1999年の秋にはNHK教育TV「趣味悠々」に日本人クラシックピアニストでは初の講師として登場。2005年に再びNHK教育TV「趣味悠々」〜かっこよく弾くかんたんピアノレッスンの講師を務める。2006年にはテレビ東京系「たけしの誰でもでもピカソ」のミニコーナーで俳優の酒井敏也に、またBS日本テレビ「ブラボー・クラシック」で山下美穂子アナウンサーにピアノレッスンを行った。

1988年には巨匠ヨゼフ・スークと共演、スーク自ら「大きな賞賛を惜しまぬ素晴らしさ」と激賞し室内楽の名手としても讃えられた。その後スークをはじめ名門ヤナーチェク弦楽四重奏団、ヴィア・ノヴァ弦楽四重奏団、新ブダペスト弦楽四重奏団、ドイツ弦楽三重奏団、ザルツブルグ八重奏団、ヴィエナ・ストリング・クィンテット、アマルコルド・クァルテット・ベルリン、シェ・ウェイ、エーリッヒ・ビンダー、サカリ・テッポネン、ジル・アンリ、クラウス・パイシュタイナー、ミハエラ・フカチョヴァ、イルジー・バールタ、セーリ・トイヴィオ、ミシェル・アリニヨン、ヨウコ・ハルヤンネ、タマシュ・ヴァレンツィ、テッポ・アレスタロ、オラフ・オット、ヴェンツェル・フックス、ペーター・シュミードルやエルンスト・オッテンザマー、ウォルフガング・シュルツ、ウェルナー・ヒンク、フリッツ・ドレシャル、ハインツ・コル、クラウス・パイシュタイナーをはじめとしたウィーン・フィル団員達、フランス国立管弦楽団コンサートマスターと首席チェリストとのトリオ等、世界超一流の実力者のパートナーに選ばれている他、松尾葉子、中村紘子、及川浩治、三舩優子、稲葉瑠奈、千住真理子、漆原啓子、篠崎史紀、加藤知子、小林美恵、景山誠治、磯恒男、戸田弥生、水野佐知香、木野雅之、佐分利恭子、二村英仁、高嶋ちさ子、吉田恭子、奥村愛、小杉まりさ、デュオ・プリマ、山本友重、豊嶋泰嗣、徳永二男、大津純子、玉井菜採、大野かおる、篠崎友美、馬渕昌子、松実健太、川本嘉子、百武由紀、上村昇、田中雅弘、河野文昭、長谷川陽子、溝口肇、古川展生、林俊昭、渡部玄一、山本祐ノ介、山本裕康、木越洋、志賀信雄、萩原貴子、中川昌三、小出信也、村井祐児、北村英治、四戸世紀、武田忠善、赤坂達三、渡辺克也、沢村康恵、古部賢一、山岸博、鈴木隆太、高橋敦、松崎裕、吉沢実、岡崎倫典、丸山和範、曽根麻矢子、広瀬悦子、ミニマムズ等々、共演した日本人は数知れない。

また「オーケストラ的響きと深い音楽交感(音楽現代)」と賞される独自のスタイルでフランシスコ・アライサ、ルチア・アリベルティ、リトヴァ・アウヴィネン、ブーディル・アーネセン、グラシエラ・アルペルリン、ジャン=ミシェル・アンカワ、ユルキ・アンティラ、フレデリック・ウーライ、マーカス・ウルマン、エリザベス・ヴィダル、サツ・ヴィハヴァイネン、ライリ・ヴィリヤカイネン、サイモン・エステス、マレーナ・エルンマン、ローター・オディニウス、ダン・カールストレーム、ヴァレリー・ガバイユ、アンドレアス・カラジアク、トム・クラウゼ、アンナ・クリスティ、デニス・グレイヴス、ヤーッコ・コルテカンガス、ナイル・コレル、ロザンナ・サヴォイア、セレーナ・シェーファー、ライモ・シルキア、ギッタ=マリア・ショーベリ、ヴィンチェンツォ・ラ・スコーラ、ヨハンナ・ストイコヴィッチ、アイリッシュ・タイナン、イレーネ・チェルボンチーニ、ダニエル・テイラー、サウリ・ティーリカイネン、イロナ・トコディ、ビルビニア・トーラ、ロベルト・ナギー、パエヴィ・ニスラ、カミッラ・ニュールンド、セオドラ・ハンスロウ、マリ・パロ、シーネ・バンガード、タイナ・ピーラ、エリザベス・ビショップ、ガブリエル・ベルムデス、ローレンス・ブラウンリー、グヴェンドリン・ブラッドレー、ハンス・ペーター・ブロホヴィッツ、ロディオン・ポゴソフ、ラズロ・ポルガール、ファン・ポンス、デニア・マッツォーラ、ラヨシュ・ミラー、トーマス・モール、イロナ・ヨキネン、ヘレナ・ユントゥネン、ライモ・ラウッカ、カイサ・ランタ、リーッカ・ランタネン、ヤーッコ・リュハネン、オーレリア・ルゲイ、ヨハンナ・ルサネン、イリーナ・ルング、トピ・レヒティプー、シャーロット・ド・ロスチャイルド、ロジャー・ロロフ等、世界3大歌劇場の名歌手達からも厚い信望を得て共演を重ね、我が国最高の名手との評価を不動のものとしている。

トコディとの3枚のライヴCDでは「至芸(レコード芸術)」とまで評される等共演のCDは数多いが、リーダーアルバムとしては、ヤナーチェク弦楽四重奏団、ザルツブルグ八重奏団を共演に、室内楽のCD3枚をリリース、音楽評論家ヒューウェル・タークイ氏に「フィルクスニーの微妙さ、ポリーニの柔軟な正確さ、リヒテルのエレガンスがひとつになったような演奏」と評価されるなど音楽専門紙各紙・新聞等で絶賛され評価を高めており、現在までに、25枚を超えるCDが続々とリリースされている。
また斎藤昌子・中山千夏等との童謡CD、音痴矯正のCDなどにも協力・共演している。佐藤しのぶ、島田祐子、斉田正子、名古屋木実、塩田美奈子、足立さつき、市川倫子、幸田浩子、崔岩光、柳澤涼子、家田紀子、水嶋育、腰越満美、寺谷千枝子、郡愛子、柳貞子、重松みか、藤村実穂子、鹿島恵子、林美智子、市原多朗、丹羽勝海、五郎部俊朗、黒田晋也、池田直樹、多田羅迪夫、黒田博、河野克典、長谷川寛、黒崎錬太郎、宮本益光他、歌手との共演も多い。

さらに故フランキー堺や西田ひかる、デュークエイセス、タイム・ファイブ、カルロス菅野、林家こぶ平、宮崎淑子、ケント・ギルバート、国府弘子、佐山雅弘、サーカス、中村幸代、天野清継、マーク・ディローズ、パトリック・ヌュジェ、ウェイウェイ、笹野高史、毬谷友子、ちはる、藤村俊二、奥山佳恵、江戸家小猫、阿川佐和子、軽部真一、大沢悠里、三井ゆり、羽野晶紀、東ちづる、谷川真理、氷川きよし、時任三郎、ベッキー、麻木久仁子等とも共演し、ジャンルを越えた活動も行う。

作曲家・編曲家としても、ヴァイオリンのための「セレナード」「白い薔薇」ヴィオラのための「思い出」、ピアノ連弾による「バッハ:ブランデンブルグ協奏曲」「消え去らぬ香り」等の作品は好評を博し、現在(株)ヤマハミュージックメディアより10冊の編曲集が発売されている。また京都フィルハーモニーを指揮し指揮者としても活動を開始。1994年には劇団樫の木の「セロ弾きのゴーシュ」の音楽をプロデュース、1995年には郡愛子20周年記念演奏会、1997年NHK総合TV正月特番のアレンジを担当、NHK−FM「ベスト・オブ・クラシック」や「クラシックサロン」のパーソナリティを務め、マスコミに取り上げられたフカチョヴァとの演奏会等、多くのコンサートのプロデュース、評論活動や全日本学生音楽コンクール(NHK・毎日新聞共催)、PTNA・ピアノコンペティションの審査等と幅広く活躍している。他にコンサートの司会にも定評があり、1996年は1年間月刊「ショパン」にイラストを掲載した。
大阪音大・武蔵野市老荘大学講師を経て、現在コンセルヴァトワール尚美ディプロマコースの講師、またアマチュアのために毎日新聞カルチャーでも講座を開いている。キエフ国立音楽院にてマスタークラスを開く他、名古屋芸大・常葉短大・東京音大・ヤマハ楽器店のセミナー・各自治体主催の講座にも講師として招かれている。

インターネット上では、我が国で最も充実したアクティヴな活動を呈し、自身のWEBサイトの他「@ぴあ」のサイト、クラシック関係のサイトでインタビューや告知等数多く、ヤマハのネット上では自身のアイデアによる番組「スーパーピアニスト斎藤雅広のいっしょに弾こうよ!」を展開し、声優と演奏・一部台本もを担当し、業界初のサイト上のアニメ音楽番組として、記者会見では50社近く集め、注目されている。

近年はソロCDアルバムが続々リリース。日本クラウンよりの「子供のためのピアノアルバム」は、人気も高くビッグセールスを更新中。また2000年にはおしゃれなアルバム「マイ・ロマンス」が日本コロムビアからリリースされ、雑誌の表紙を飾る等大きな話題となり、また2001年には同じくコロムビアから「アラウンド・ザ・ワールド」がリリースされた。

ワーナーミュージックよりデビュー25周年記念アルバムとしてリリースされた「ヴィルトゥオーゾ〜展覧会の絵」は「レコード芸術」にて特選盤に選ばれた。また音楽之友社から「斎藤雅広/ピアノで気分は世界旅行」が出版されている。また、2005年にNHKで放映された「趣味悠々」は好評につきDVDとVHSで発売されており、2007年楽壇生活30周年を迎えた今、日本で最も広いファン層と知名度を持つベテラン大物アーティストとして疲れを知らぬ文字通りマルチな活動を展開中。


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