武 田 忠 善(クラリネット)
国立音楽大学出身、稲垣征夫、浜中浩一、大橋幸夫の各氏に師事。その後フランス国立ルーアン音楽院に留学しジャック・ランスロのもとで研鑚を積み、同大学院にて1等賞を得て卒業。1977年ベラン音楽コンクール第1位、78年には第47回日本音楽コンクール優勝、続く第35回ジュネーヴ国際音楽コンクールで銅メダルを受賞する等、その才能を大きく開花させて楽壇に躍り出た。他の追随を許さぬ自由で魅惑的な独自のスタイルは、たちまち我が国最高峰のソロ・クラリネット奏者として評価され、その地位を不動のものにしている。古典から現代音楽に至る幅広いレパートリーを持ち、楽器の可能性をも越えた甘美な音楽性とその妙技により多くの人々を魅了し続け人気も高く、近年はその脂の乗った演奏が巨匠の域にまで達したといわれている。内外の著名演奏家との協演も数知れぬが、1994年にリリースされたファーストCDは3000枚のセールスを記録するクラシック界のビッグ・ヒットとなっている。水野佐知香・斎藤雅広とのトリオやTAKEDA=QUARTETを主宰する等、室内楽奏者としても意欲的に活動するほか、教育面においてもエリザベト音楽大学教授、国立音楽大学教授として多くの逸材を育てるなど、正当なフランス派を伝える事の出来うる数少ない演奏家・教育者として大いに注目されている。また吹奏楽の指導等においてもその手腕は高く評価され、全国のコンクールの審査員としても活躍している。
|