主な共演邦人アーティスト

発行:(有)東京MDE/TEL:03−3550−6087

2008年12月号 「ザ・スーパートリオ」
2007年8月号 「僕のドリーム・コンサートを一緒に楽しんでください」
2004年4月号 「斎藤雅広(ピアノ/プロデュース)ごきげん de リサイタル」
2002年12月号  「ふつうの人が気軽に楽しめるおしゃれなコンサートを目指しています」
2001年2月号 小耳大耳NEWS〜ヤマハ「MidRadio」に新番組登場
2001年1月号 新譜〜この人いちおし
1999年6月号 日経ホール
1998年5月号 日経ホール



【2008年12月号】巻頭インタビュー
ぷれすてーじ 「ザ・スーパートリオ」

個性も楽器も違うからこそ、 いつでも新鮮なアンサンブルになる
 ソプラノの足立さつき、クラリネットの赤坂達三、そしてピアノの斎藤雅広。それぞれが第一線で活躍してい る3人で結成した、その名も「ザ・スーパートリオ」。
「足立さんのリサイタルのお手伝いをしたのが始まり。音楽的にも相性が良くて楽しかったんですが、もうひと り加わったらもっと面白いことができそうだと2人で話したんです」(斎藤)
「ちょうどその頃、共演ではなかったんですが赤坂さんと同じステージに立つことがあって、この人とならきっ と素敵な共演ができる、と思いました」(足立)
「その時は社交辞令で『今度御一緒しましょう』とおっしゃったんだと思っていたら、次の機会には大真面目で したので(笑)。それで参加したら、僕の方がずっとノリノリになってしまいまして足立さんをビックリさせて います(笑)」(赤坂)
 ザ・スーパートリオは2003年から本格的にスタート。レパートリーなども3人で決めるが、編曲は斎藤さんが 担当している。
「ソプラノがメロディを歌い、クラリネットが合いの手を務め、ピアノが伴奏する、というありきたりな形には したくなくて、縦横無尽に全員に聴かせどころがある、という風にしています。腕自慢の3人が集まったザ・ スーパートリオだからこそ、できるわけでもあります」(斎藤)
「超絶技巧を披露する部分が必ずあって、特に赤坂さんは大変そう。でもすんなりとこなしてしまうのが凄い。 クラリネットとソプラノは相性が良くて、2重唱のようにもなるんですよ。斎藤さんは、お父様がバリトン歌手 だったこともあって、歌を熟知していらっしゃるし」(足立)
「クラリネットは旋律楽器ですから“歌う”ことも基本。実はオペラ歌手への憧れがあるので、歌とデュエット するのは本当に楽しいんです」(赤坂)
「エンターテインメントとしてお客さまを楽しませたい。そのためには僕らも楽しんでいることが一番。楽しい から多少の無理もできる(笑)」(斎藤)
「だから毎回リハーサルは大変。終わるとへとへと」(足立)
 ステージを降りても仲良しの3人だが、性格はバラバラだとか。
「アンサンブルは、違う個性が集まった方が面白くなるんですよ。で、A型の僕は夢を語る」(赤坂)
「壮大すぎる夢を、現実に調整するのがO型の私」(足立)
「それを実現すべく、行動にうつしちゃうのがB型の僕。すばらしいチームでしょ?(笑)」(斎藤)

3人でなければできないことを
 この11月、ザ・スーパートリオのデビュー・アルバムがリリースされる。結成5周年を記念する録音にもなっ た。
「今まで演奏してきた曲も、録音のために編曲し直したんですよ。ライヴではノリが大事だから遊びを取り入れ たりしていますが、録音ではより技巧的にパワーアップさせたりして。足立さんの美しい声をじっくりお聴かせ し、赤坂さんのフランス仕込みの流麗なクラリネットの魅力がより発揮できるように。いろんな意味で華やかな アルバムができたと思います」(斎藤)
「ご協力いただいた北海道の江別えぽあホールもとてもいい音響でした。しっかりと組織された音楽鑑賞団体も あるんですよ」(赤坂)
「450席ほどのホールは、歌手にとって響きを味方につけながら無理をしないで歌えるちょうどいい大きさ。 自然に歌えました」(足立)
 ザ・スーパートリオでの出演依頼は、どんどん増えてきているとか。ただ、3人ともに自分の活動もあるので スケジュールの調整には苦労しているに違いない。
「だからこそ、引退してもこのトリオは続けていきたいと思っています」(赤坂)
「あら、引退したらステージに立てないじゃない?」(足立)
「大人たちによる大人のエンターテインメントということですね。この3人でなければできないことを、これか らも目指していきたいと思っています」(斎藤)

【2007年8月号】巻頭インタビュー
ぷれすてーじ 「僕のドリーム・コンサートを一緒に楽しんでください」


“芸大のホロヴィッツ”も今年、デビュー30周年を迎えた。記念のコンサートはゲストが9人と1団体という賑やかなもの。
「音楽家は『長生き競争』の中で生きているようなもの。元気で活躍できるのが第一。とはいえそれなりの苦労もあってたどり着いた年月でもあります。音楽活動を続けるというのは、実は相当に大変なことなんです。でも、僕一人ではここまで来られなかった。たくさんの人たちに支えられてきたわけです。だからこそ、今回は仲間たちに登場してもらうことに」
 25周年の時にはソロ・リサイタルだった。
「いつもソロで弾いているわけですから、特別は意味合いが出にくかったんです。僕の大好きはフランク・シナトラやトニー・ベネットが、節目の時にデュエットのコンサートをしたりするのがいいなと思っていたことと、ピアノという楽器は非常に優秀なアンサンブル楽器なので、いろんな組み合わせができるなと思って、今回の企画になりました」
 古い仲間から新しく出会った若手まで、様々な演奏家が顔をそろえることになった。
「赤坂達三さんが『まるで生前葬みたいですね』って言って笑ってました。確かに僕の大好きな人たちばかり。さらに皆さん、忙しいスケジュールを調整してくださっての登場なんです。赤坂さんと足立さつきさんは『スーパー・トリオ』の仲間。ジャンルを超える才能とテクニックを持つ萩原貴子ちゃんとも長い付き合い。ドビュッシー弦楽四重奏団は新しい仲間です。国府弘子さんとはずっと前にステージで一緒になって。人気の高嶋ちさ子さんは、彼女のラジオの番組に出た折に約束しちゃいました。林美智子さんと宮元益光さんは昨年に共演して、素晴らしい歌唱に感動しました。三舩優子さんとは3台ピアノでご一緒して以来の仲良し。若い広瀬悦子さんも個性的ですばらしい。僕のソロも1曲だけありますが、他のアンサンブルもそれぞれのカラーを考えて選曲しました」

抜いた刀は収められない

今回はフランスの作品で統一。
「フランス音楽が大好きなんです。普段はリクエストしてくださるままに弾いていて、それはとても楽しいことですが、フランス音楽だけのコンサートという企画はほとんどないし、この機会に聴衆の皆さんにも親しんでいただきたいと思って。実はピアノ・ソロの作品は頭にも手にも入っているんですが、デュオだとそれぞれの人たちと練習しなくてはならないし、新たに楽譜を起こしたり読んだりもしなくてはならないので、大変な作業になってしまうんですよ。それでも、秋の忙しいコンサート・シーズンの中、よくぞ引き受けてくださったという感謝の方が大きいです」
 これだけ豪華なキャストなのだから、小ホールでなく大ホールでの開催の方がよかったのでは。
「確かにビジネスを考えると大ホールの方がいいのですが、デュオもピアノ五重奏も室内楽だから、小ホールの方がふさわしいんです。間近で聴いていただきたかったし。僕のわがままを通した、自分のためのドリーム・コンサート。その楽しさを会場の皆さんと分かち合うようなコンサートにしたいんです」
 いつもながらエネルギッシュな斎藤さんだ。
「戦闘状態に入ってるようなもので、一度抜いた刀を納めることはできない。そうして全力で活動することが、僕の唯一の自慢です。次々に新しい才能が登場してくる一方で、僕も弾き続けていたい。仲間を増やしながら、自分も成長していきたい。そうやって走り続けていく中で、いろんなイベントやアルバムが生まれていけばいいなと思っています」


【2004年4月号】
ぴっく あっぷ 「斎藤雅広(ピアノ/プロデュース)ごきげん de リサイタル」

素晴らしい演奏をする人は美しい

抜群の腕前を持つピアニストとしてだけでなく、ラジオのパーソナリティや放送作家、プロデューサー、作曲家、編曲家としても活躍。毎日音楽コンクールなどの審査員を務め、最近では指揮者としても活動を始めたという、これぞマルチ・タレント。そんな斎藤雅広のプロデュースによるクラシカル・エンターテイメントだ。
「松戸は東京から20分。上野駅から芸大まで歩くのと同じ時間で行ける場所。さらに森のホール21はとても音響のいいホール。ここで若く才能ある演奏家たちに思う存分に自分を表現できるリサイタルを開いてほしいと思ったんです。見た目も美しい人達ばかりですが、彼女たちが演奏するともっと美しい。演奏のすばらしい人には華があるんです」

ヴァイオリンの奥村愛、ピアノの稲葉瑠奈、ヴァイオリン・デュオのデュオプリマ(礒絵里子&神谷未穂)、そしてチェンバロの曽根麻矢子が1日ずつステージを担当。斎藤はピアノとトークでからんでいく。
「プログラムは彼女たちにお任せ。奥村さんとデュオプリマには伴奏で、稲葉さんとはピアノ・デュオで、そして曽根さんとはオーケストラをピアノ・アレンジで『参加』する予定」

インタビューにはデュオプリマの2人と稲葉さんが同席し、さらに華やかににぎやかに(笑)人目も引く。
「実は斎藤さんは学生の頃から知り合いでして、昔からエンターテインメントたっぷりの人で、以前は全然かなわなかったけれど、今回は仕返ししてやろうと(笑)」(デュオプリマ)
「私は斎藤さんとは初めてなのでちょっと緊張してます。クラシックの名曲を中心に、ジャズのようなものも取り込めたらと思っています。斎藤さんの即興の腕前も聞いてますから」(稲葉)
このコンサートも斎藤の持論を実現したもの。
「クラシックのハードルは高い。だって、クラシックは難しい音楽なんだもの。だからこそ、奥行きも深さもある。でもたくさんの人たちに聴いてほしい。そこで『クラシック作品そのものはいじらずに、演奏のレベルはあくまで高く、でも企画は限りなく楽しく』を考えたんです」
「クラシックを愛しているからこそ、いろんな人に聴いてほしい」(稲葉)
「さまざまな企画にかかわってきて思うのは、こっちから乗り込んでいくと、クラシックでもすんなりと聴いてもらえるんです」(デュオプリマ)
「とにかく実力派で美しい人による心に届く企画!このシリーズが恒例化、定例化してくれると嬉しい」(斎藤)


【2002年12月号】
ぷれすてーじ 「ふつうの人が気軽に楽しめるおしゃれなコンサートを目指しています」

「ぶらあぼ」前月号の裏表紙に掲載された、斎藤雅広のデビュー25周年記念リサイタルの広告を記憶されている方も多いだろう。グラス片手に微笑む斎藤の背後に女性の姿が写っている、なにやらミステリアスなあの広告を。
「彼女は誰なんだと様々な憶測を呼んだようですが(笑)、友人の1人に協力してもらいました。クラシックの広告としては型破りですが、こちらの遊び心は十分に伝わったでしょ? 」

斎藤のこういうサービス精神は、どこから生まれるのだろうか。もちろん天賦の才もあるのだろうが、それに加えて、彼が自分のコンサートを、映画、スポーツ、J-POPなど様々なエンタテインメントと比べても引けを取らない訴求力を持ったものにしたいと考えている点が重要だ。
「たしかにクラシックおたくを唸らせる演奏をするのもいいですが、それだけでは、業界全体が硬直化してしまうでしょ? だから僕のコンサートは、特にクラシック・ファンでない普通の人々が気楽に楽しんでもらえる、お洒落なものにしたいのです。親子連れでも来てもいいし、若いカップルがデートで来ても大喜びできるようなものにね」

実際、年間120回にものぼるという彼のコンサートでは、第一級のピアノ演奏の合間に大爆笑トークを交えつつ、衣装の早替わり、イラストとの音楽とのコラボレーションや有名演奏家の物真似なども加わり、聴覚以外に目が離せない要素が盛りだくさんだ。その知らず知らずのうちに引き込まれてしまう世界は、斎藤がエンタテイナーとして尊敬しているサミー・デイヴィスJr.のステージに通じるものがあるのだ。

さて、今回のリサイタルも、親しみやすさとシリアスさが同居したバラエティに富んだ曲目が並んでいる。冒頭にいきなりファリャのド派手な「火祭りの踊り」を置き、プーランク、バルトーク、ムソルグスキーの「展覧会の絵」と続く。これが前半で、さらにドビュッシーやシューマンのおなじみの小品群を演奏した後、シューマンの交響的練習曲で締めくくるというから、相当に濃いプログラムだと言うこともできる。その上に、何か期待していいのだろうか?
「もちろん今回も色々と趣向を凝らす予定ですが、それはぜひ会場で確認してくださいね」
レコーディングで
12月には、ワーナー・クラシックスから新譜もリリースされる。かつて「芸大のホロヴィッツ」という異名を取った斎藤が、「展覧会の絵」など“本家”ホロヴィッツにゆかりの深い曲を中心にまとめた1枚だ。
「若い時にホロヴィッツの魔物みたいな魅力に取り憑かれて、僕も彼のようになるんだと決意して猛練習した時期がありました(笑)。そんなホロヴィッツへの強い憧れを、今回、思いっきりぶつけてみました。とにかく、ワーナーの制作の方が、どんなに酷評されてもいいから『こりゃ面白いっ! 』と思えるCDを作って欲しいと言ってくれたので、僕も精一杯やりましたよ。特に『展覧会の絵』は昨日キーシン盤と聴き比べたけど、『僕のもイケるじゃん! 』って(爆笑)。リストの『ラ・カンパネラ』なんか、フジ子・ヘミングさんの味わい深い演奏より約1分半速い4分5秒で弾いちゃった!!世界最速?いやいや、これを見聞きして若いピアニストたちが『なんだ、おれの方がもっとうまいぞ!』って、がんばってくれればうれしいなあ」

大げさではなく、ふたこと目には「若い子たちが……」という言葉を口にする斎藤。それも巷のオヤジたちのような愚痴モードではなく、限りない愛情と期待を込めた口調で、である。
「日本のピアノ界の将来は明るいですよ! 才能を持った若い子が、いっぱいいます。彼らが夢を持って伸び伸びと才能を開花できる環境を整えてあげるのが、今後の僕らの役目。下らない嫉妬や批判に左右されることなく、音楽だけを見つめてほしいのです。僕自身、今まで25年間ピアニストを続けてこられたのは、落ち込んだ時にいつも励ましてくれる先輩たちがいてくれたからなので、今度は自分が後輩を助ける番だと思っています」

また斎藤の愛情は、若い聴衆の心をも捉えている。
「地方で演奏会を開くと、お客さんの3分の1はお子さんですが、どこに行っても、僕の『楽しいコンサート』で大喜びしてくれるわけです。そんな子供たちが大人になって、『うわーっ、あの時の面白いおじさん、おじいちゃんになっちゃったんだ。でも懐かしいなぁ』と言いながら再び演奏会に来てくれるようになるまで、僕はピアノを弾きつづけたいですね」

斎藤の今後の活躍がますます楽しみな一方、彼が四半世紀に渡って、日本全国にまきつづけてきた音楽の種子が、これから先、どのような実りをもたらしてくれるかも期待したい。《取材・文:長野隆人(編集部)》

 *今後やりたいのは「クラシックそっくり大賞」的演奏会。お盆の季節に友達にも手伝ってもらって、ホロヴィッツとハイフェッツとカザルスのトリオなど、絶対ありえない「夢の組み合わせ」による演奏を、大真面目に物真似するんです。面白いですよ〜。 

【2001年2月号】
小耳大耳NEWS〜ヤマハ「MidRadio」に新番組登場

ヤマハではインターネットを使い、親子で楽しむゲーム感覚のピアノ・エンターテインメント番組を配信しているが、2000年12月20日から新しい番組がスタートした。同年7月から始まった「仲道郁代のピアノスタイル」に続く、ピアノ関連コンテンツの第2弾「スーパーピアニスト斎藤雅広のいっしょに弾こうよ!」だ。
日本を代表するピアノの名手・斎藤雅広は、NHK教育テレビの音楽番組「トゥトゥアンサンブル」のメインキャラクター「キーボーズ」役を務め、華麗な演奏と喜劇役者顔負けの演技力で、幼児から大人まで幅広い支持を集めた。
新番組ではこのキーボーズが活躍。視聴者とともに音楽が聴けなくなってしまった国を旅し、テーマになっている作曲家についてのクイズに答えながら冒険を進めるもの。
MIDIデータを利用するこの番組は、パソコンだけでも楽しめるほか、ヤマハのMIDI対応の電子楽器などにパソコンをつないで音楽を楽しむこともできる。

【2001年1月号】
新譜〜この人いちおし

NHK教育の「トゥトゥアンサンブル」では妙にピアノのうまい謎のキャラクター「キーボーズ」、一転して「趣味悠々」のお父さんのためのピアノ教室では的確なアドバイスをするダンディなピアノ教師。
「テレビの効果は絶大ですね。地方の公演でも本当にたくさんの方々が来てくださいます。キーボーズは子供たちにもちゃんとしたピアニストだと思われているし」
キーボーズの発想から、子供のためのアルバムを作成。続く今回は大人向け。いわゆる名曲集とはひと味違う選曲で、おしゃれなアルバムが出来上がった。
「BGMになりうる曲とそうでない曲。心を癒す曲と、癒されない心を貫くパワーを持った曲。そんな風に選んでいきました」
彼は「芸大のホロヴィッツ」とあだ名されたほどの名手。編曲も即興演奏も上手で、今回もその手腕を発揮している。しゃべりもうまいから「クラシック音楽入門」企画には引っ張りだこ。コンサートのプロデュースなども手がけているので、今は「一人株式会社」なんてあだ名がついている。
「エンターテインメントとして楽しめるような、デート・コースのメニューに選んでいただけるようなピアニストになりたいと思っているんです。そのためにはいつでもいい演奏をしていかなければならないんですけど」
譜読みの早さと的確な解釈で、内外のソリストたちから伴奏ピアニストとしての依頼も多い。彼らとの録音も数多く、睡眠時間を削ってスケジュールをこなす毎日だ。
「運命の巡り合わせで、やれることをやってきただけなんです。今、僕はクラシック入門のためのピアニストをきちんとできる人になりたいと思ってます。クラシックは難しくないシックが盛んになったら、こんなに嬉しいことはありません」
クラシック業界の活性化のための7割は演奏家、3割がマスメディアの力にかかっているとの言葉には、少々耳が痛いところ。
「まず私達が努力しなければならない。でもマスコミが若い人達の応援、ベテランのバックアップなどをしていただくと嬉しい。年を取るとともにより良い演奏家になることは、クラシックの音楽家みんなのチャレンジです。ビジュアル系も、若い人も、ベテランも、みんなが使命感を持って頑張れば、クラシックはもっともっと広がっていくと思ってます。それだけクラシック音楽の魅力は計り知れないほど大きいのです」
Jクラシックとして売れている若い人達と室内楽をやってみたい。そうしたらもっとたくさんの人にクラシックの魅力を伝えられるから、と言った目が輝いた。

【1999年6月号】


7/28 日経ホール
ピアノの斎藤雅広は、18歳で日本音楽コンクール優勝。世界トップレベルのテクニックを持っているが、その明るいキャラクターでNHK教育番組の人気者になったりして、ユニークな活動を展開している。伴奏なども非常にうまい人だ。多彩なプログラムで斎藤のヴィルトゥオジティも堪能できるだろう。

【1998年5月号】

7/30 日経ホール
NHK教育テレビでの「キーボーズ」ですっかり人気者になったマルチピアニストの斎藤雅広。その明るいキャラクターが注目されているが、もともとはハイ・テクニックを持った実力派。クラリネット、ソプラノ、ヴァイオリンを迎えての楽しいコンサートだ。