主な共演邦人アーティスト


ムジカノーバと一緒に

月刊「音楽の友」 音楽之友社
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月刊「ムジカノーヴァ」 ムジカノーヴァ
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月刊「ピアノ」 ヤマハミュージックメディア
月刊「レッスンの友」 レッスンの友社
月刊「ザ・クラリネット」 アルソ出版
月刊「ぶらあぼ」 東京MDE
「ピアノの本」 草思社
月刊「レコード芸術」 音楽之友社
「いますぐ始めるお父さんのためのピアノ講座」テキスト 日本放送出版協会
「カンパネラ」 アートユニオン
婦人公論 株式会社中央公論新社

2008年以降については、作成中です。






「いますぐ始めるお父さんのためのピアノ講座」テキスト (P12〜13)―私とピアノ―
(発行:日本放送出版協会/TEL:03−3780−3313)

〜子供の頃からいつも一緒だった最大の友人〜

●小さい頃から大好きだったピアノ

お父さんがオペラ歌手、お母さんがバレリーナという家庭に生まれた斎藤さん。家にピアノ伴奏者がよく来ていたことで、ごく自然にピアノに興味を持つようになりました。「いつか自分もピアノをやりたい」と心に決めていた斎藤さんが、ピアノのレッスンを始めたのは4歳のとき。毎日晩ご飯の後に1〜2時間ピアノを弾くのが日課でしたが、もともと自分の意志で始めたこともあり、小さい頃から「練習がイヤだな」と思ったことはなかったそうです。
小学校1年生のときには、NHK教育テレビ「ピアノのおけいこ」の生徒として半年間出演。このとき出演記念にもらったピアノ椅子は、いまでも斎藤さんの宝物としてご自宅で大切に使われています。

両親と一緒に


●念願のデビュー

子どもの頃からいつもピアノに夢中で、ずっと「ピアニストになりたい」と思い続けていた斎藤さんは、「ピアノのおけいこ」以降も、田村宏先生に師事しました。田村先生は、斎藤さんいわく「レッスンのときにはとてもこわい先生」。ところがレッスンが終わると人が変わったように優しくて、中学時代、静岡からレッスンに通っていた斎藤さんを「帰りの電車はあるのかい?」と気遣ってくださったそうです。とはいえ、当時厳しくしてくださったからこそ、ピアニスト斎藤雅広が誕生したこともまた事実。東京芸大に進んだ1977年、斎藤さんは第46回日本音楽コンクール第1位となり、翌年NHK交響楽団との共演でデビューを飾り、プロのピアニストとしてのスタートを切りました。

1978年1月7日「若い芽のコンサート」で故渡邊暁雄氏指揮のN響と共演しデビュー


●さまざまなアーティストの交流を通じて

もともと斎藤さんはショパン、リスト、ラフマニノフ、プロコフィエフ、そしてフランスの作曲家の作品が得意ですが、ソロ活動に加えて、さまざまな楽器や歌の著名なアーティストたちと室内楽をする機会が多くなるにつれて、ブラームス、モーツァルト、ベートーヴェンなど、ドイツ系の作品も数多く手がけるようになりました。
ピアノ、そして音楽を通じて、かけがえのない出会いや喜び、感動を味わってきた斎藤さんにとって、ピアノを弾くということは「1日に何度もケアしなければいけない、ものすごく手のかかる恋人を持つようなもの」。でも、「それでも何よりもすてきだと思えるし、それくらいの価値があるもの」だからこそ、斎藤さんの演奏はいつも聴き手を魅了してやまないのでしょう。


『カンパネラ』2003年2月号 (P14〜16)―足立さつき×斎藤雅広―

(発行:(株)アートユニオン/TEL:03−3770−2371)

足立 斎藤さんといると、リラックスしすぎちゃって。楽しさを通り越して、笑いすぎて疲れちゃう! コンサートでも「僕たち夫婦なんです」とか言うんですよ。
斎藤 もう、お互いの母親までよく知っているものね。
足立 斎藤さんにはまず、一目惚れというより、″一聴き惚れ″したんです。もともと私の方からラヴコールして。4年くらい前、イロナ・トコディ(ハンガリーのソプラノ歌手)のCDを聴いたとき、あまりのピアノの素晴らしさに感激して、そのピアニストが斎藤さんだったんです。事務所に捜してもらって、共演がわりと早い時期に実現できることになったんですけど、その前に、たまたまテレビをつけたら「ハ〜イ、キーボーズです!」って出てきちゃったんですよ(笑)。えっ、これがあの斎藤さん?と思ったけど字は同じだし、ピアノを聴いたらやっぱり同じ。そのギャップはすごかったわ。
斎藤 (笑)最初の共演では、「まだまだ僕を知らないなあ。何でモーツァルトを指定してくるわけ!?僕が得意なのは、もっとねっとりしたロマン派ですよ!」なんて言って。
足立 すみません! でもやっと共演にこぎつけたわ、と内心思っていたんです。普通の歌の伴奏と違い、とにかく衝撃的だった。
斎藤 ありがとうございます。それからは結構ご縁がありますよね。新幹線の中でばったり会ったりとかも。
足立 斎藤さんとは運命的なものを感じたんですよ。
斎藤 歌曲の伴奏に限らず、僕自身カラーがはっきりしているから、合う合わないが歴然とする。その人の得意とするものと合うと、ああ、この人を捜していた、と言われますね。
足立 斎藤さんのお父様はオペラ歌手でいらしたせいもあって、歌に造詣が深い。お宅にもたくさんLPや珍しい譜面があっていろいろ紹介して下さるんです。


ふたりで変態になる!漫才コンビ

斎藤 足立さんは根っからの歌手ですね。理詰めではなく、いい意味で本能で音楽を捉えている。そういう状態のことを私たち2人の用語では、「変態になる!」と言っているんです(笑)。ちょっとノリが悪かったりすると、「まだ変態になってないね!」という具合に。要は音楽バカ、ということなんですけど。
足立 いかに変態になるか、がテーマなんですよ。最初の頃は、斎藤さんの変態ぶりに驚いて(笑)というか、前奏を聴いただけで私は音楽に押し流されていたんです。でも、音への思い入れ、メロディーの思い入れが解るようになってきて、だんだんその斎藤さんの音楽に応戦できるようになってきたんですよ。
斎藤 それが、醍醐味ですよね。
足立 斎藤さんの最初の一音がカ〜ンときたら、「来た来た来た!じゃあ私はこう行こう」「前奏ではこうやっていたけど、今度は間奏でそう来たなら、私はじわじわ行こう・・・・・」とか。
斎藤 みんな僕の演奏を聴くと笑っているんですよ。
足立 そう、笑えますもの!《鐘が鳴ります》の前奏なんか、お寺の鐘なんですけど、斎藤さんの鐘なんですもの。前奏だけで物語ができちゃう。その後に私がどう発展させていくか。だから、2人でやっていると飽きないし、毎回新しい発見があって楽しいです。何が起こるかわからない!
斎藤 足立さんは團伊玖磨先生に、とっても認められていて《夕鶴》も何度も演じてらして。
足立 ちょうど先生が亡くなられた日に、リサイタルがあったんですよ。
斎藤 プログラムに《忘れな草》があって、「こういう風に前奏を弾いたら泣くな、こいつは!」と思って弾いたんですよ。そしたらほんとに泣いちゃって。
足立 本当に悲しい前奏だったんですよ。絶対に泣くまいと思っていたのに。
斎藤 またその涙がきれいで。それって、お客様にも伝わるじゃないですか。歌手の方がどんな気持ちで歌っているか、って。ピアニスト冥利につきます。
足立 ほんと参りました、あの時は。私たち、タイプは全然違うんですけど、あまりにも違いすぎて、逆にとても興味があるんです。

私が選んで、僕が並べる

斎藤 そうですねえ。出会いから4年以上たつけど、リサイタルから、トーク入りの楽しいファミリーコンサートまで、様々なタイプのコンサートを一緒にやってますね。アルバムも2枚。1枚目は、2年前にフランス歌曲を出しました。
足立 フォーレとドビュッシーの前期、中期を中心とした歌曲で、詩の内容の深いものを選曲したんです。
斎藤 昨年の秋に出したのが、日本歌曲。
足立 これは、4年前にモスクワで團先生の《夕鶴》を歌わせて頂いた時からの思いです。日本の創作オペラの主役をやるのは、初めてだったので最初はどうなるかと思ったんですが。歌っているうちに、ああ、日本人の私だからできるのかな、と思えてきて。やっと私も日本の歌を歌える年齢になってきたな、と。それから、リサイタルでも日本の歌を取り上げるようになったんです。誰でも知っている歌をきれいな日本語で、情緒豊かに歌い上げる。それがいつかCDになれば、と思って。
斎藤 そう、まさに満を持しての今回のアルバムですよね。
足立 本当のことを言うと、フランス歌曲のときも日本の歌を、と思ったんですけど、選曲しきれなかったんです。それで今回は斎藤さんに相談しながら。
斎藤 いやいや、選曲はいつも足立さん、曲順は僕。この人、曲順決められないんですよ、何とかしてください! 実はこの録音の2日後に僕のソロ、《展覧会の絵》をメインに《カンパネラ》とか収録したヴィルトゥオーゾのアルバムの録音で、ものすごく忙しかったんです。でも何とか考えて、「これはあくまで僕の案だから、後は足立さんよく考えてね」って渡したんですよ。そしたらその日のうちに連絡があって「これに決めたわ」(笑)。
足立 決められないんです。でも斎藤さんの曲順とてもよかったんで。
斎藤 足立さんのイメージからいくと、明るくて懐かしさのある曲から入る感じだけど、実際に聴いてみると、深く内容のある曲を最初からしっかり聴いていただいた方が、これだけ曲が並んでいる中では良いと思って。最初の曲は大事だから。
足立 12月にこの日本歌曲を含むコンサートをやって、その次は3月かしら。
斎藤 ちょっと別居状態が続くなあ。
足立 やめてくださいよ、みなさん本気にするから。でも、これからもずっとご一緒したいですよね。
斎藤 選曲してください!どんどん。
足立 私は、ロシア歌曲とかいいな。ラフマニノフとか。
斎藤 僕はね、個人的にはシューマンのリーダークライス。でも売れないだろうなあ!?・・・それにしても足立さんは、歌い手としての魅力はもちろんだけど、お人柄がすばらしい。
足立 斎藤さんの魅力は、やっぱり音。最初の一音からず〜んと引き込まれる。砂浜に打ち寄せる波のよう。声にも勝る魅力。そしてお客様だけでなく、共演者をも楽しませてくれるサービス精神がすばらしい。
斎藤 キャラクターがそれぞれ違うから付き合っていかれるんですね。しっかりしたキャラクターがない人だと、僕に完全に塗りつぶされてしまう。キャラクターがあれば大丈夫。足立さんが大きな太陽で、僕は、その周りを廻っている衛星のようなもの。ただ、その衛星は大きくて、廻り方も速くて、いろんな方向からバアアアア〜ンと迫ってくるんだけど。
足立 ほんと、これからも2人でいろいろなイメージの音楽宇宙を創り続けていきたいですね(笑)。

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